NDD認定のガイドライン対応に役立つ
「STRIGHT(ストライト)」
:NDD認定取得メリットや申請の流れまで徹底解説

2025年7月15日に、Webサイトの信頼性を高める新たな指標となる「NDD(Non-Deceptive Design:非ダークパターン)認定制度」について新しい発表がありました。
「NDD認定制度とは?」「NDD認定を受ける方法は?」「NDD認定を取得しないことによるリスクはある?」など、Webサイトを運営する事業者としてどのような対応を取るべきか、お悩みのご担当者様も多いのではないでしょうか。
この記事では、NDD認定制度の概要や取得メリット、申請方法などについて詳しく解説します。

NDD認定制度とは?

NDD(Non-Deceptive Design:非ダークパターン)認定制度とは、ダークパターンを用いていない誠実なWebサイトが、NDD認定マークの付与を受けられる制度です。

NDD認定マークは、以下の三つの領域ごとに設定されており、認定取得初年度はBRONZEからスタートし、翌年度更新後はSILVER、3年目の更新後はGOLDとステータスがアップしていきます(下記はGOLDのイメージです)

・組織的対策の説明ページに表示する認定マーク

・クッキーバナーに表示する認定マーク

・購入前最終確認画面に表示する認定マーク

一般社団法人ダークパターン対策協会が申請事業者のWebサイトを審査し認定されると、改ざんできない認定マークが付与されます。

NDD認定制度は、ダークパターンの排除と消費者が安心できるWebサイトを判別する目安の提供を主な目的としています。

参考:一般社団法人ダークパターン対策協会、誠実なWebサイトを認定する「NDD認定制度」における「自己審査チェックシート」と「認定マーク」、「ダークパターン・ホットライン」を公開

NDD認定に関わるダークパターンとは?

NDD認定に関わるダークパターンとは「消費者が気付かない間に不利な判断・意思決定をしてしまうよう誘導する仕組みのWebデザインなど」を指す用語です。

OECDの報告書「Dark commercial patterns」では、ダークパターンを以下のように定義しています。

「ダークパターンとは、消費者の自主性、意思決定又は選択を覆す又は損なうデジタル選択アーキテクチャの要素を、特にオンライン・ユーザー・インターフェースにおいて、利用するビジネス・プラクティスのことである。これらは、しばしば消費者を欺き、強制し、又は操作し、様々な方法で直接的又は間接的に消費者被害を引き起こす可能性があるが、多くの場合、そうした被害を計測することは困難又は不可能であろう。」

引用:ICPEN詐欺防止月間(2023年) | 消費者庁

ダークパターンの具体例は、以下の通りです。

  1. 1. 登録の強制:サービス利用に不要な個人情報の登録を強いる
  2. 2. 偽造広告:広告であることを隠し、通常のコンテンツのように見せかける
  3. 3. 誤解を招く価格表示:最終的な支払い金額が、当初提示より高くなるように意図的に表示する
  4. 4. おとり商法:実際には在庫がない商品を魅力的に見せ、別の商品に誘導する
  5. 5. 在庫わずか:期間限定や残りわずかであるかのように偽り、購入を急がせる

ダークパターンによる被害額は国内だけで年間1兆円を超えるという推計もあり、問題視されています。
関連ページ:ダークパターンとは?類型と代表例をわかりやすく解説

NDD認定制度の重要性

現状、NDD認定の取得は企業の義務ではなく、法的拘束力もありません。

しかし、ダークパターンが問題視される中、仮に自社のWebサイトがダークパターンに該当する手法を使ってしまったら、ユーザーはもちろん、取引先からの信頼を失ってしまう可能性があります。

このようなリスクを避け、ユーザーや取引先に誠実な企業姿勢を示すためにも、まずはNDD認定制度のガイドラインに沿って、まずは自己審査チェックシートの内容を確認し、自社サイトの設計を点検しましょう。

参考:一般社団法人ダークパターン対策協会、誠実なWebサイトを認定する「NDD認定制度」における「自己審査チェックシート」と「認定マーク」、「ダークパターン・ホットライン」を公開

事業者がNDD認定制度を受ける五つのメリット

Webサイトの運営事業者がNDD認定制度を受けるメリットを五つ紹介します。

1.公式の認定マークでWebサイトの健全性をアピールできる

一つ目のメリットは、ダークパターン対策協会の公式認定マークでWebサイトの健全性をアピールできることです。

一般的に、Webサイトの健全性を運営者自らが証明することは難しいものです。

NDD認定を受けた事業者には、Webサイトに掲載できる認定マークが付与されます。そのため、「第三者機関による審査をクリアしたWebサイト」という客観的な視点から、Webサイトの健全性をアピールすることが可能です。

2.ユーザーの信頼獲得・ブランド価値の向上につながる

二つ目のメリットは、ユーザーの信頼獲得・ブランド価値の向上につながることです。

Webサイトに認定マークを掲載することで、訪問ユーザーに対し「信頼でき、健全な運営が行われているWebサイト」という明確な視覚的メッセージを示せます。運営事業者に対するユーザーの信頼が深まり、ブランドイメージの向上につながりやすいでしょう。

3.企業間の信頼構築に役立つ

三つ目のメリットは、企業間の信頼構築に役立つことです。

NDD認定によってダークパターン不使用の公的証明を受けることで、誠実で倫理的なWebサイト運営姿勢を対外的にアピールできます。企業の社会的責任(CSR)への取り組みや、競合他社との差別化に役立てることも可能です。

4.社内意識の向上につながる

四つ目のメリットは、社内意識の向上につながることです。

NDD認定を取得できるWebサイトを運営するためには、ダークパターンに関する基礎知識や、誠実な企業姿勢が求められます。

適切なWebサイト運営を目指す中で社内意識の向上を図れる点も、NDD認定の取得メリットといえるでしょう。

5.将来的なリスク軽減の一助となる

五つ目のメリットは、将来的なリスク軽減の一助となることです。

近年では、特に海外におけるダークパターンへの規制強化の動きが見られます。たとえば欧州連合(EU)では、オンライン上の違法コンテンツ対策や消費者保護を目的とした法律「デジタルサービス法(DSA:Digital Services Act)」によって、ダークパターンの使用を禁止しています。米国では、「連邦取引委員会法(FTC:Federal Trade Commission Act)」においてダークパターンを取り締まっています。

ダークパターンに該当すると判断された事業者には、制裁金が科されたり、業務停止命令を受けたりする可能性があるため注意が必要です。近年、規制対象となった国内外のダークパターンによる事例は、以下の通りです。

2025年
3月21日
ダークパターンによる表示について、
消費者庁が立体マスク販売業者に課徴金6,589万円の納付を命令
2025年
1月18日
米国連邦取引委員会(FTC)が、オンライン
ゲーム運営会社のガチャに関するダークパターンに対して2,000万ドルの制裁金
2024年
9月6日
ベルギーのデータ保護監督機関APDが、ダーク
パターンのクッキーバナーを使用した報道機関のGDPR違反に是正命令
2024年
4月19日
ダークパターンによる広告・表示について、
消費者庁が電子タバコ通販業者に業務停止命令
2024年
3月27日
ポーランドの競争・消費者保護当局(UOKiK)が、
インターネット通信販売事業者の商品の在庫状況と納期に関する
ダークパターンに対して約12億円の制裁金

現時点で日本に直接的な法規制はないものの、将来的に規制が強化される可能性が考えられます。また、事業展開によって、すでに法規制が整備されているEUや米国などへの対応が迫られる可能性もあります。

事業者がダークパターンの排除を目的とするNDD認定に向けた取り組みを行うことは、ダークパターンへの規制強化に対する将来的なリスク回避につながる可能性があります。

NDD認定の取得方法・流れ

事業者がNDD認定を取得するまでの基本的な流れは、以下の通りです。

  1. 1. 申請準備(自己審査)
  2. 2. 申請・申込
  3. 3. 審査
  4. 4. 認定

ステップごとに詳しく解説します。

1. 申請準備(自己審査)

審査を受ける前に、事業者が基本的な法令遵守を誓約し、ダークパターンの不使用を確認する「自己審査」を実施する必要があります。自己審査には事業者自身の意識向上や、万一認定後に問題が発生した際の積極的な改善を促す狙いがあります。

自己審査の範囲は、以下の通りです。

  • 購入前最終確認画面
  • クッキーバナー(デザイン・制御)
  • 組織的対策
  • 一般社団法人ダークパターン対策協会のWebサイトから自己審査チェックシートをダウンロードし、自己審査を行います。

    参考:一般社団法人ダークパターン対策協会 自己審査チェックシートダウンロードページ

    2. 申請・申込

    まずは一般社団法人ダークパターン対策協会のWebサイトから「審査見積のフォーム」に入力し、記入済みの「自己審査チェックシート」を提出します。
    ※正式な審査開始前となるため「審査見積のフォーム」についてはまだ公開されておりません。

    提出後、数営業日内に協会から審査費用の見積もりと審査費用の支払方法を含む案内が提示されます。見積もり結果を確認の上、審査に進む場合は案内に従って正式申込や審査費用の支払いを行います。

    3. 審査

    審査は、「認定審査機関による審査(一次審査)」と「ダークパターン対策協会による審査(最終審査)」の2段階に分かれています。

    一次審査で審査対象の全確認項目について適合が認められた場合、最終審査に進みます。

    一次審査で不適合箇所が見つかった場合は、審査員から事業者へ是正に向けたアドバイスが提示されます。期限内に審査員が是正を確認できれば、最終審査に進むことが可能です。期限内に審査員が是正を確認できない事業者には、不合格が通知されます。

    なお、審査に当たって審査員から問い合わせを受ける可能性があります。

    4. 認定

    最終審査の結果、審査対象の全確認項目について適合が認められた事業者には、合格通知や登録料支払方法などの案内が届きます。内容を確認の上、登録料を支払います。

    なお、一次審査あるいは最終審査で不合格となった場合でも、再審査費用を支払うことで、再び審査申込を申請することが可能です。

    関連ページ:ダークパターン対策ガイドラインver1.1の公開

    NDD認定の取得に関する注意点

    NDD認定は「一度取得すれば終わり」という制度ではありません。認定を受けた後も適切なWebサイト運営の継続が求められます。

    そのため、NDD認定には1年間の有効期限が設けられています。前回の登録から10カ月を過ぎた時点より、更新審査の申込が可能です。審査範囲や対象項目等がアップデートされる可能性があるため、更新時には最新版資料を確認する必要があります。

    また、以下のような悪質な事業者は認定取り消しになる恐れがあります。

  • 認定後にダークパターンに該当する対応を繰り返す
  • 認定のためだけに、一時的にダークパターンを回避していることが明らかである
  • NDD認定はWebサイトにおけるダークパターンの不使用について、適切かつ客観的な評価を得るための手段です。NDD認定取得そのものが目的になってしまわないように注意しましょう。

    NDD認定のガイドライン対応に対応した「STRIGHT(ストライト)」

    「NDD認定を受けたいけれど、審査に向けてガイドライン基準に対応したWebサイトに改善するのは大変」「機能がしっかりした商用クッキーバナーを導入するなら、どのサービスを選ぶべき?」と、お悩みではありませんか?

    そのような事業者様におすすめなのが、ダークパターン対策も考慮して開発された新しいプライバシーツール「STRIGHT(ストライト)」です。世界各国の法規制に対応したクッキーポリシーが自動表示され、NDD認定のガイドラインに対応したクッキーバナーをWebサイトに手間なく実装できます。

    NDD認定対策だけでなく、クッキーバナー管理にお悩みの事業者様は、ぜひ導入をご検討ください。

    また、正規代理店であるJPRS経由で10/31までに購入をして頂いた方はサービス開始記念キャンペーンが適用され、初年度が特別料金でご案内可能です。

    サービス開始記念キャンペーンの詳細はこちら

    関連ページ:便利な機能 | STRIGHT by JPRS
    Web制作者様向けに、実機操作をしながらSTRIGHTの基本的な使い方を短時間で学べる「無料ハンズオンセミナー」も随時開催しております。ぜひ、お気軽にご参加ください。

    NDD認定制度に関するよくある質問&回答

    NDD認定制度に関するよくある質問とその回答を紹介します。

    NDD認定制度はいつから申込できますか?

    NDD認定の審査申込は2025年10月にスタート予定です。

    NDD認定制度の取得費用について教えてください。

    取得費用の詳細については、下記の協会ページからダウンロードできる NDD認定制度要綱(事業者向け)をご参照ください。
    NDD認定制度要綱(事業者向け)ダウンロードページ

    NDD認定を受けるために事前に実施できる対策はありますか?

    一般社団法人ダークパターン対策協会が公表している「ダークパターン対策ガイドライン」と自己審査チェックシートを参考にしてください。
    ガイドライン、自己審査チェックシートともに下記のページよりダウンロード可能です。

    関連ページ:ダークパターン対策ガイドライン、NDD認定制度 自己審査チェックシートダウンロードページ

    海外のWebサイトは、NDD認定を取得できますか?

    NDD認定の審査対象となるのは、日本語のWebサイトのみです。

    NDD認定を取得してWebサイトを適切に運営しよう

    NDD認定制度とは、運営Webサイトにおいてダークパターンを用いていない誠実な事業者が、NDD認定マークの付与を受けられる制度です。一般社団法人ダークパターン対策協会が申請事業者のWebサイトを審査し、認定されると改ざんできないマークが付与されます。

    認定を受けることで運営Webサイトの健全性をアピールでき、ユーザーの信頼獲得・ブランド価値の向上につながる他、企業間の信頼構築にも役立ちます。Webサイトを運営する事業者は、取得を検討するとよいでしょう。

    NDD認定のガイドラインに対応したWebサイトの運営を目指す事業者様は、JPRSが正規代理店として取り扱いをしている「STRIGHT」の導入をご検討ください。

    これらのポイントを満たすのはIIJが開発したSTRIGHT(ストライト)

  • 適切なWebサイト運営でNDD認定を目指したい
  • NDD認定の取得後も、法や規則に沿ったWebサイト運営を続けたい
  • ダークパターンを避ける対策の手間や負担を省きたい
  • STRIGHTならすべて解決!
    お問い合わせはこちら

    サイトトップへ戻る